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GENIUS法の成立によって、米国は国を挙げてステーブルコインの普及を後押しすることになった。通貨覇権をもって多大な利益を享受しながら、その再分配と制度維持を放棄した米国は、ステーブルコインによって新たな金融秩序を築こうとしているのだろうか。しかし、その非制度的ドル、いわば「制度なき覇権通貨」が世界に拡大した先には、「グローバル公共財」としてのドルの正統性や信認が失われる危うさが潜む。
旧ソ連・ロシアが掲げた「反帝国主義」のレトリックは、旧東欧やバルト三国などを支配する「植民地帝国」としての性格を隠蔽した。プーチンがいまウクライナへの侵略を正当化する修正主義にも、やはり根強い帝国意識が見て取れる。ただ、その冷戦思考の残響と言うべき世 ...
「私たちは『グローバル・サウス』について語ると同様に、『グローバル・イースト』についても論じなければなりません。冷戦の影を脱し、真のグローバル政治を考えなければならない」と、ウクライナ出身の政治学者、カテリーナ・ピシコヴァ氏は語った。「グローバル・イ ...
保守の岩盤支持層で政権支持が不支持を上回り、大統領選で保守系候補に流れた若年男性にも支持傾向が広がっている。李在明を「悪魔化」してきた有力論客は軌道修正を始めたようだ。前政権が生んだ混乱の反作用が大きいが、「国益重視の実用外交」路線が保守派を安心させ ...
国際政治でロシアとの友好関係をアピールする中国だが、ビジネスではロシア・リスクを無視できない。中国と欧州を結ぶユーラシア横断鉄道の顧客、欧州企業はロシア経由の輸送を避けたがる。これに対応すべく中国は、ロシアを迂回するルートを強化している。最近開通した中国-イラン直通鉄道も、イラン市場へのアクセス以上に「脱ロシア」と見るべきだ。
オーバーツーリズムの煽りを受け、人気の観光地には夕食難民が溢れている。解決策として宿泊税導入などが検討されるが、その使いみちは「観光振興」など曖昧だ。このままでは継続しない事業を造成している補助金などと同様、無意味なお金になりかねない。
コスト削減圧力に晒されるドイツ建設業界では、中東欧からの外国人労働者が下請け搾取の被害者となってきた。彼らはドイツ語で書かれた労働法や契約書を読めず、実際の仕事よりも簡易な仕事をする単純労働者として登録され、給与を不当に少なく払われるケースも多い。し ...
英独間で戦後初の2国間条約となる「ケンジントン条約」が署名され、仏英(そしてカナダ)はパレスチナを国家承認する方針を発表しました。インド太平洋の重要な要であるはずのモディ印政権に対し、米国は関税交渉で厳しい条件を突き付けて譲らず、その軋みを睨むかのよ ...
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ヤマハ発動機が中国に無人小型ヘリコプターを無許可で十数機輸出していたことが発覚した。これら十数機は半径二百メートル程度の範囲で無線遠隔操作するタイプで、農薬撒布や航空測量用の写真撮影などに使われる。日本では産業用に広く普及しているが、改造すれば容易に毒ガス攻撃や ...
北朝鮮のスーパーノート(精巧な偽ドル札)問題が、核とならぶ政治課題として浮上してきた。加えて米国では、北朝鮮が日本円と韓国ウォンの偽札も造っている可能性の高いことが議論され始めている。 米財務省関係者は、「北朝鮮がスーパーノートに加えて日本円と韓国ウォン、それに ...
「利用者のため」と称して普及キャンペーンに税金を注ぎ込む。加入率が上がれば道路マフィアの財布は自然にふくらむことに――。 東京・霞が関の国土交通省。一階にある道路局長室を訪ねると、入り口の異様な光景に思わず立ち止まってしまう。扉の周囲は銀色のゲートで縁取られ、最 ...