News

多くの国々は、法人税率を引き下げる一方で課税ベースを拡大してきたが、この点において、日本は興味深い事例を提供している。日本は、所得を課税ベースとした法人税率を引き下げる一方で、外形標準課税を拡大してきた。本稿は、外形標準課税を組み込んだフォワードルッキング実効税率を定式化したうえで、2010年代中盤以降の日本の法人税改革が企業ダイナミクスに与えた影響を分析する。分析の結果、法人税改革は実効税率を引 ...
最先端技術分野をめぐる米中対立の技術覇権争いは、冷戦時代の米ソ対立を彷彿とさせるものがある。ハイテク産業における米中デカップリングが進む中、日本はどのような戦略を採るべきなのか。本セミナーでは、東京大学先端科学技術研究センターの元橋 ...
本研究は、米国政府による中国の通信機器大手、華為技術有限公司(以下、Huawei)への輸出管理規制の強化が、日本のサプライヤー企業による中国向け輸出にどのような影響を与えたかを実証的に検討するものである。具体的には、Huaweiの主要なサプライヤーである日本企業を特定し、2016年から2021年までの企業レベルのデータを用いて差分の差分(DID)法を適用した。
むき出しの力を超えた正統性こそが世界に秩序をもたらす。現在の国際秩序の主導者である米国を自由貿易体制に引き留め、欧州と米国の和解を促し、米国を他の主要国が補完するかたちで新しい国際秩序を構想しなくてはならない。これが米国に対してできる日本からの正統な提案ではないだろうか。
現在の米中摩擦は、日米経済摩擦と同じ経済的構造が原因にある。新興国が構築した規模の経済が市場である先進国の産業基盤を毀損し、両国の間に社会的な緊張を生む。日米摩擦は、WTOによる裁定に加え、日本の対米直接投資、新興技術分野のゼロ関税を定める情報技術協定を通じた規模の利益の共有を通じて沈静化した。中国の産業政策は、日本の産業政策をより精緻化したものである故に規模の経済がより強く働き、他国への影響がよ ...